一昔前なら斬新なメニューだが、最近では結構ありがちな甲殻類系の豚骨魚介スープ。豚骨のしっかりとした旨みに渡り蟹の風味が嫌味なく加わわっている。適度な甘みと塩加減もスープの旨みを引き立てている感じ。癖が強くなりすぎてしまいがちなタイプだが、非常によいバランスで仕上がっているスープだと思う。麺は太ストレート。ツルツルムッチリタイプだが麺自体にこれといった個性はない。麺の上には蟹パウダーなるものが乗っている。蟹の香ばしさは感じられるが、赤い色は一味唐辛子のようでかなり辛い。あと脇の窪んだ部分にはトマトとバジルのソースが入っており、これと先ほどの蟹パウダーを麺とまぜて食べるあえつけ麺のスタイル。このソースは少量でスープに合うとも思えなかった。何より小さいくぼみに入っているので箸だとかなり付けにくい。はじめから麺の上にかければ良いのにと思えた。逆に蟹パウダーは辛いのが苦手な人のために別添えにして欲しい。具はスープの中にチャーシュー、鶏団子、メンマ、海苔、ネギ。終了間際だったためかチャーシューと海苔はサービスですと言っていた。確かにこれでデフォルトだとしたらかなり豪華な内容。チャーシューはサービスというだけあり、端っこのあまりもののようだったが、それでも柔らかくて香ばしくて美味しい。鶏団子はあっさり目の塩加減とフンワリとした食感がとてもいい。メンマはクニュッとしたタイプで味付けもなかなか好み。白髪ネギがスープと麺の絡み役としてなかなかいい働きをしている。スープ割りは店頭にあるポットで。直接飲むとかなり蟹が感じられるがそれでもしつこくはなく、蟹の味噌汁のようなほっとできる優しい味わい。蟹を使用したスープとしてはかなりハイレベルだし、具もそれぞれなかなか良かったのだが、あえつけ麺という提供スタイルにだけは疑問が残る一杯である。 大つけ麺博2011第3章の出店。終了間際の9時過ぎに訪問したため5分ほどの行列だった。あえつけ麺という変わったスタイルなのに提供時に食べ方の説明などが何もなかったのがちょっと疑問。たまたまかもしれないが、店主は店頭にも店内にも見当たらなかった。 |