質素ともいえるほどのシンプルすぎる寂しい見た目だが綺麗に澄んだ茶褐色のスープが上品さを出していて良い。こういった昔ながら系だと化調バリバリと思いきやしっかりと奥行きのあるスープに、ちょうど良い感じの醤油味で非常に飲みやすい。変にとってつけたような旨みも無い為、最後まで飽きにずに食べれてスープも完飲。麺は中太の縮れ麺。ムッチリ感がありいいコシがある固めの茹で加減。この麺はなかなか好み。量も通常よりは少し多めに感じた。残念なのが麺が泳いでおらず丼の中で固まっていること。チャーシューはムッチリ系で素朴な味付けでスープとの調和が取れていていい感じ。メンマは太くて長いのが2本。この手のタイプのラーメンに太いメンマは珍しいが、ちょっと筋張っていて食べずらい。このスープにごく普通のメンマがいいな。さらに珍しい具としてインゲンが入る。軽く湯がいた程度のようで噛むとコリッとするほど固め。特に味も無く、これまたあまり合うとは思えなかった。店の概観からしてあまり期待していなかっただけに、かなり満足。そして500円という値段もありがたい。タンメンや五目そばも人気のようなので再訪して食べてみたい。 門前仲町から永代橋へ向かう手前の小さな川の橋の脇にひっそりとある老舗店。店内は5席のカウンターと4人がけのテーブル席、店の外の屋根の下に3人ほど座れる席と道路に面して2人座れる席。かなり狭くて変わった作り。店内はほぼ満席になるほどの人気。天気のいい日には開放的で気持ちいいが雨が降ったら客足をかなり減りそう。厨房では店主と助手が作業、洗い場は店の外側にあり、食べ終わったら自分で丼を洗い場に運び割り箸を捨てるというのが暗黙のルールっぽい。といっても店員が強要しているわけではなく、パッと見は強面だが丁寧にお礼を言ってくれる気持ちのいい接客。味もさることながらこういったところでも常連客が耐えない理由のひとつと言えるだろう。こういう店はいつまでも残って欲しい。 |